ステマとか、食の美学とか。

ステマが妙に盛り上がっている(半年ROMれ、とか嘘を嘘と見抜けない人は・・・、という昔のことばがありましたね)。

で、ステログなんてものができたみたい。
http://crazyworks.jp/stlg/
ここで、ステマ率上位にとんかつあさくらが入っていた。
ここ、普通に美味しかったなだけどな。

そう思っていたら、友人から「自分の舌を信じるんだ」というお言葉をいただいた。
その前段階として口コミを利用するのでは、というのもあるけれど、

そこで、いいお店、いい食事ってなんだろうなということを考えました。
食って、たとえば芸術と同じで、2つの側面を持っていると思うから。

ひとつは単純に「美味しい!」っていう感覚的な側面。絶対的な序列をもつ、程度比較の側面。
もうひとつは、素材とか、手間とか、演出に思いを馳せる知的な側面。序列をもたない、ロマン的な側面。
この2つ、どちらが上の概念ともいえない。

ところが面白いことに、料理では前者の感覚的な側面が圧倒的に重視されている。(最近の芸術では後者の知的な側面が重視される傾向がある。)
もちろんまったく偏ってるわけじゃなくて、後者の知的なほうにも、有機野菜や産地のように大切にされている部分はある。

それでも、「美味しい!」と言ったときには、知的な側面からくるロマンチシズムみたいなものはすごく軽視されてる。


ぼくは、食べログを見ていてそこがすごく不満。

同時に、ステマ騒動っていうこと自体が、そこを軽視しすぎてるから起こることなんじゃないかと思う。


ぼくの例を出すなら、コスモノートのすごく優しい店作りなのに、フランスの情緒が流れてるところが好き。
タボラカルダミヤケの家庭的なのに野趣溢れる料理が好き。
それは、美味しさの話じゃない。店の内装であり、BGMであり、素材選びのバランス。そういうものの総合的な体験が自分の好みに合っているということが、感動であり、お店選びの肝要なトコロじゃないのか。
少なくともぼくは、そういうところに魅了される。

食べログだと嫌でも点数をつけるから仕方ないのかもしれない。
だけど、もっとそういう知的なところの感動を伝えてくれるレビューが欲しいと思うんだよなぁ。今はどこに行っても美味しいことは間違いないんだから。